前回の続き。
手術から2日目の朝、デールームでのんびりしてるところに主治医が来て「ねぇいつ退院する?」と聞かれた。いつって?いつってなに??「もういつでもいいよ。」えっ、えっ、「夕方また来るから考えておいて~。」あっはい。
腹痛は前日とそんなに変わらず。なんだか攣ったような、だる重いような、生理痛に似てる部分と、打ち身の痛さっぽい部分があった。とくに右側の下っ腹あたりがぽっこりしてるような感じで押すと痛い。気にしつつぷらぷらしてから病室に戻ると、ちょうど回診の医師が来ていた。「どうです?問題なさそうですね?」いやでも何かお腹痛くて・・・「でもスタスタ歩けてますもんね?」あっあとお腹が下ってるんですけど・・・「今は出ないよりは下ってるくらいの方がいいですね。そのままよく水分摂って。」・・・はい。
手術翌日から薬が2種類出されていた。痛み止めが4日分と、抗生物質が2日分。看護師さんにもお腹が下ってることを相談してみたら、この抗生物質のせいかもしれないと言われた。確かに家に帰った翌日くらい、薬を飲み切ったころから何ともなくなった。
病院内をうろうろしたり、ベッドでごろごろしたりしながら退院日について考える。よく考えたら、お腹の痛みはここにいたからって軽くなるわけじゃない。ここにいないと処置できないようなこともない。そんな状態だったらいつでも退院していいなんて言われるはずないし。だったらもういいんじゃないかな。右側のぽっこりの痛みだけ確認して、問題ないって言われたら翌日退院しようと決めた。夕方、告知通り来てくれた先生に、お腹の右側がぽっこりしてて痛いと伝えて診てもらい、別に異常じゃないと言われて安心したので、決めていた通り明日帰ると宣言した。
翌日。朝、看護師さんに次の診察までの注意事項を説明してもらう。次の診察はちょうど1か月後。それまで、傷口が開いてしまう恐れがあるので、激しい運動や性行為はNG。さらに感染症の恐れがあるので、お風呂はシャワーのみ。傷口は石鹸を泡立ててやさしく洗うこと。不正出血が増えたり、風邪の症状が無いのに高熱が出たりしたらすぐ病院に来ること。ちなみに、傷口には手術直後からキズパワーパッドのうっすい透明版みたいな、真ん中にジェルが付いてるテープが貼られていた。これは退院したらすぐ取っても問題ないそうだ。お風呂で柔らかくなってる時の方が剥がしやすいよ、と教えてもらった。私は怖がりなので手術の1週間後、退院してから4日経って剥がした。剥がすときに痛みなどは全く感じなかったし、剥がした後の傷跡もきれいなものだった。
11時頃、係りの人が請求書を持って病棟まで来てくれる。受け取った請求書を手に、1階にある入院費専用の自動会計機まで行って会計を済まし、一度病棟に戻る。看護師さんに領収書を見せて、支払いが済んだことを証明したら晴れて退院だ。看護師さんと一緒にベッド周りの忘れ物を確認してから、名前が書かれているリストバンドをハサミでパチン、と切ってもらった。前回、甲状腺の手術で入院した時と同じ、一番嬉しい瞬間。
平日だったので、自分で荷物を持って一人で退院した。エレベーターまで看護師さんが見送ってくれた。お世話になりました。先生にもよろしくお伝えください、とお礼を言ってエレベーターが閉まるまでおじぎする。エレベーターが動き出したあたりで、体の奥底からじわじわ喜びがあふれてきた。えっなにこれ相当うれしいぞと一人で口に出す。動く箱の中で右手のこぶしを突き上げた。入院生活がそれなりにストレスだったのだと今更ながらに気づく。
家に帰って、部屋を見回してもう一度嬉しさを噛み締めた。テーブルに夫からの置き手紙があった。アイスとかプリンとか買ってあることを伝える内容だった。迎えに行けないことを精一杯気遣う気持ちにじんわりさせられて嬉し泣きした。荷物もそこそこ重かったし、ひさびさの電車で体力を消耗したようで帰ってすぐ昼寝してしまった。このせいで夜はなかなか寝られなかった。
★退院翌日からの様子↓