費用について、とにかく真っ先に伝えたいのは「“限度額認定証”は絶対用意した方がいい」ということ。
健康保険では、実は自分が支払う医療費の上限が決められている。上限の金額がいくらかは収入≒納めてる保険料によるが、とにかくこの上限額を超えると、超えた分の支払いをキャッシュバックしてもらえる制度がある。ただし、キャッシュバックだ。とりあえずは自分で支払わなくてはならない。返ってくるのも、たしか、病院から健康保険組合に請求がいった後になるはずなので、それなりに時間がかかる。退院した翌月とか、翌々月とか。
これに対して「限度額認定証」というのを入院する時に病院へ提出すると、あらかじめ設定されている上限金額=限度額までしか病院に支払わなくて良くなる。いずれキャッシュバックされる分をいちいち先払いして、後から戻してもらう手間が省けるのだ。
国保か社保かは関係ない。どちらでも申請書を書けば簡単に用意してもらえる。注意したいのは、まず、この制度の対象となるのは医療費だけであること。差額ベッド代やパジャマなどのレンタル代や、食事代は含まれない。それらは全額自己負担となる。また、医療費の計算は毎月1日から月末までの期間の合算になること。例えば、1月30日に入院して2月3日に退院したりすると、5日分の合計ではなく、1月30~31日の期間の医療費が限度額を超えているか、2月1日~3日の期間の医療費が限度額を超えているか、で計算されてしまう。入院日の希望が言えるなら、月をまたがないスケジュールを希望した方が良い。もう一つ、限度額認定証には有効期限がある。この期限を過ぎた医療費は限度額の合算に含まれなくなる。有効期限の延長も申請すれば可能だが、新たに認定証を発行してもらう必要があるので、延長されるまでに時間がかかる。認定証を発行してもらう時は病院にかかる予定の最長期間で申請した方が良い。
私は甲状腺の入院も卵巣の入院もこの限度額認定証を提出した。提出した結果、入院前に教えてもらっただいたいの費用と実際払った金額との差は↓の通りだった。
【甲状腺】
教えてもらった金額:13~4万円
実際払った金額:およそ7.5万円
【卵巣】
教えてもらった金額:21万円くらい
実際払った金額:6万840円
教えてもらった金額は医療費のみ。私は差額ベッド代がかかる部屋に入らなかったので、実際払った金額は医療費+食事代。ちなみに食費はどちらの病院も390円/1食だった。限度額認定証を提出した場合の費用は、人それぞれ異なるので病院では教えてもらえないが、おそらく保険組合のHPを見たり問い合わせたりするとだいたい計算できると思う。限度額認定証を提出しない場合の費用は、たいていの病院で目安を教えてくれるはず。
また、仕事している人には、「傷病手当金」という支給金もある。入院によって4日以上連続して休む必要があり、さらに4日目以降のお休みが無給になってしまった場合、収入の6割くらいが支給される制度だ。それから、会社によっては、私傷病休暇という、有給とは別に病気などでも給与が支給されるお休みの制度があったりする。限度額認定証も、傷病手当金も、私傷病休暇も、親切な会社や病院であれば、こんなのあるよと教えてもらえるかもしれないが、基本的に自分で動かない限り情報は手に入らない。人事、保険組合、入院したことがある人に聞きまくることをお勧めする。
★医療保険に入ってるとなお良いですよと言うお話↓