star_of_bba’s diary

甲状腺、卵巣と立て続けに手術したのち遊び歩いてます。

家づくり記録(31)最終確認と別れ

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【前回までのあらすじ】
廃墟で御札集めた

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土地に建っていた古家の気がかりが解決した。古家は私たちが御札を回収した翌日から解体工事に入り、あれよあれよという間に更地になった。もういつでも家が建てられる。

間取りが決まり、建築に関わる仕様も全て選び切ったので、いよいよそれらを最終確認する打ち合わせへ進むことになった。この打ち合わせに臨む準備として、私は自分でオリジナルの確認表を作ることにした。

Googleのスプレッドシートで家のエリアごとに床材、壁、天井のクロス、ドア、窓、照明、コンセントの数などの仕様を書き込んでいく。書いているうちにあれ、そういえばドアノブの色ってなんだっけ、とかこのオプションの値段ていくらだっけ、とか窓のサッシの色は外側しか選んでないな、とか聞きそびれたことがポロポロと浮かんできた。これはやってみて本当に良かった。


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最終確認前に作った確認表の一部


打ち合わせではセッケイさんと1つずつ読み上げながら確認し、残っていた細かい部分の仕様を決めていった。確認表を作っていったおかげで、後からあれは?これは?と聞かずにその場で疑問点をほとんど解消することができた。

翌週はセッケイさんとの最終確認を元にして『着工前確認』という本当の本当の最終確認が行われた。このタイミングで全てが確定となり、この先の変更はNGだったり追加費用がかかったりスケジュールが遅れたりする。とても大事な打ち合わせだ。自分で作った確認表に、セッケイさんとの最終確認の内容を書き加え、レイアウトも変えて着工確認にも持ち込んだ。


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作り直した後の表


着工前確認にはセッケイさんだけじゃなくシゼンさんと、工事の管理を担当するという新たな担当者が2人参加した。お名前はユージさんとコウジさんにする。全員がテーブルにつき、それでは始めましょう、というところで私が自作の確認表を出すと、えっそれ作られたんですか?!えーっ、どれどれ?ほらこれ。わ〜!すごいですね〜!と、なんだか皆さんにキャッキャしながら表を見られる羽目になった。ちょっと恥ずかしかった。

マイオリジナル確認表と、ナチュラル社がまとめた仕様一覧を照らし合わせるような形ですべての仕様に順に目を通していく。途中、ナチュラル社の一覧に前回の修正が反映されていないところがあったりしたので修正を書き込みながら進めていった。修正漏れに気付けたのは間違いなくマイオリジナル確認表のおかげだと思う。平日、仕事終わりに眠い目をこすりながらヒィヒィ言いつつ作った甲斐があった。

それから、ベランダのオプション工事でコウジさんが気付いた修正もあった。図面で見てるだけではなかなか気付けないような問題点で、この場にユージさんとコウジさんがいる意味がよく理解できた。現場ならではの目線が最後の確認の場にあるのはとてもありがたがった。

それにしても寒い日だった。しんとした空気を感じてふと窓の外を見ると、いつの間にか雪が降っていた。打ち合わせの途中だったが思わずわぁ雪だ。と声が出た。暦の上ではとっくに春だ。なごり雪にしては大きなぼた雪が降る様を、ほんのひとときみんなで眺めた。

細かい追記や修正はあったが概ね問題なく確認は完了した。ほっと一息吐く。これでもう打ち合わせは終わりか…。そんな感傷に浸りかけたとき、セッケイさんが居住まいを正し、それでですね、実は…と口を開いた。


「実は、体調面の問題で、ナチュラル社を退職することになったんです。」


頭が真っ白になる。セッケイさんの肩越しに雪が降り続いている。すぐには言葉が出なかった。夫も同じ気持ちだったと思う。少し間を置いてやっと、そう…ですか…とだけ口に出せた。今後の家の建築は大丈夫なのかという不安より、寂しさが気持ちの大部分を占めていた。


セッケイさん。
ほとんど一目惚れだった間取りを作ってくれたセッケイさん。私たちのワガママを魔法のようにスルスルと間取りに書き加えて叶えてくれたセッケイさん。私たちの希望をそのまま叶えるだけではなく、自分の好みやセンスをサラリと光らせて素晴らしい間取りに仕上げてくださったセッケイさん。ナチュラル社主催の忘年会でにっこにこしながらあまり上手じゃない隠し芸を披露していたセッケイさん。

退職はセッケイさんのためにきっと必要なことだろう。幸せを願うばかりだ。そこに不平や不満は一切無い。無いけれど。…家の完成をセッケイさんに見てもらえないことがただただ、とても寂しかった。

泣きそうになるのを堪えながら、「こんなに素晴らしい間取りにできたのは全部セッケイさんのおかげです。本当に、本当にありがとうございました。」と夫と2人で何度もお礼を言った。続けて、「完成したら、いつでも、ぜひ見に来てください。」とも。セッケイさんはいえいえ、と謙遜しながら打ち合わせ、楽しかったですと言ってくれた。セッケイさんの本当の気持ちは分からない。だけどそう言ってくれたセッケイさんの気持ちを素直に受け止めようと思った。

セッケイさん以外の人たちは「会社としてこれからもしっかり進めていきますのでご安心下さい」とフォローに一生懸命だった。そう言うしか無いだろうし、信じるしかない。実際、ここまで来たらあとはセッケイさんのお仕事はほとんど無いはずだ。きっとそうなるまで辞めずにいてくれたんだろう。感謝してもしきれなかった。

打ち合わせが終わることと、セッケイさんとのお別れの合わせ技でしんみりしながら帰り支度をした。打ち合わせは本当に本当に大変だった。だけどその倍以上に、とても楽しかった。もうこれで打ち合わせ終わりなんですね。…さみしいなぁ。もっとやっていたかったなぁ。気付いたらそう口に出していた。ナチュラル社の皆さんは若干顔が引き攣っていた。

いつものようにシゼンさんに最寄り駅まで送ってもらう。お礼を言って車を降りた。気を取り直して前へ進もう。いよいよ次は地鎮祭だ。

いつの間にか雪は止んでいた。


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↓目次はこちら

家づくり記録 目次① (1)~(10)1度目の検討
 家を作ろうと決めたきっかけから家づくりを1度諦めるまで。

家づくり記録 目次② (11)~(23)建築会社決定
 1度諦めた家づくりに再トライして建ててもらう会社を決めるまで。

家づくり記録 目次③ (24)~ 建築開始
 家を建ててもらう会社が決まり、土地の購入から建築工事の開始まで。