star_of_bba’s diary

甲状腺、卵巣と立て続けに手術したのち遊び歩いてます。

家づくり記録(41)カーテン現地確認

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【前回までのあらすじ】
引き渡しの目処が立った。

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引き渡しの前の様々な手続きに翻弄され続けた私たち。家具を見たり役所に行ったりしているとついにヌノモノさんからカーテンを現地で確認しましょうというメールが届いた。望むところだ。はりきって午前中の早い時間を指定し、当日は現地集合することが決まった。ヌノモノさんはメールの返信が早く、シゼンさんのペースに毎回イーッ!となっていた私は大変ありがたかった。

約束の日。現地に着くと既にヌノモノさんが待機していた。今日はありがとうございます~とにぎやかな挨拶を受けながら家へ近づく。家の中にもう1人の人影が見える。棟梁だった。内装が終わってからの最終的な仕上げで来てくれたそうだ。最後までありがたい。外からこんにちは~と声を掛けつつ、家の中に入った。

…おお。家だ。

一歩入り、感動して当たり前の言葉が頭に浮かんだ。これまで見学に来ていた時は養生で覆われていた床がお目見えし、壁の漆喰もきれいに塗り上げられている。パッと見た感じではもう住めそうだ。夫と2人、ああでもないこうでもないと一生懸命考え、思い描き、作ってもらったものが今、現実として目の前にある。不思議で、うれしくて、ちょっと怖かった。

感慨にふけるのもそこそこに、さっそく一部屋ずつ順番にカーテンのサンプルを窓にあてていった。選んだ中では1番ピッタリくるだろうと思っていたカーテンが窓にあててみるとイメージと違ったり、そこまで自信のなかった別のカーテンは想像よりいい感じだったりする。やっぱり実物で検討しないと分からないことは多かったし、サンプルのサイズが小さいので面積が広がった時にどうなるかまでは確信が持てないところもあった。ヌノモノさんにアドバイスをもらいながらどうにかこうにか一つ一つ決めていく。

途中でユージさんもやってきた。予めヌノモノさんからユージさんが来るとは聞いていたものの、目的までは分からなかったので挨拶だけ交わしてカーテンの確認作業を続けた。

しばらくすると今度は電気工事の作業員さんがトラックと一緒にやってきた。ちょうど今日が電気の引き込み工事を行う日だったらしい。ユージさんはこのために来たそうだ。なるほどねと納得しつつ、作業員の方に挨拶して再びカーテンのサンプルと向き合った。

最後のカーテンがほぼ決まりかけたところで棟梁とユージさんが揃って私たちのところに来た。何事だろうと話を聞くと、電気の引き込みについてご近所から苦情が入っているらしい。ユージさんからおおまかにご近所の方の言い分を聞いたが、言っていることがちょっとよく分からない。埒が明かないと思ったようで夫が自分が話しに行きますよと言い、ユージさんがほっとした様子でじゃあお願いしますと答え、ぞろぞろ全員で家の外に出た。

そのまま勢揃いでご近所宅を訪問。ご近所の方は電気の配線の位置を変えて欲しいらしいのだが、そうすると外から見た我が家の見映えがかなり悪くなる上にどれだけ話を聞いても位置を変えなきゃいけない理由が分からない。分からないが、ここまでの工事の中でとにかくいろいろ気に入らないことだらけだったことは伝わってきた。どうもご近所さんはユージさんのことを良く思っていないらしく、顎でユージさんを指しながら、いやまぁいいんだけどさ、この人なんか意地になっちゃってさ、などと不満なんだか愚痴なんだか暴言なんだか分からないセリフを吐き捨てた。言われたユージさんもユージさんで、いやなってないですよと脊髄反射並みの速度でカッとしている。施主そっちのけでなにやってるんだろうこの人らは。結局、夫が根気強くご近所と話を続けて納得してもらい、その場は解散となった。

やれやれと家に戻り、尻切れトンボになってしまった最後の1枚のカーテン選びをしっかり決めて打ち合わせは終了。ここぞとばかりにうきうきとあちこち写真を撮り始めたところでまたユージさんからちょっと確認が…と呼ばれた。

確認は照明のことだった。家の作りの都合上、事前に選んだ照明が付けられないところがあるらしい。ユージさんは付けられない理由とか、どういう照明だったら大丈夫なのかとか、そういう詳しい説明を一切しないまま、こっちの方に付けた照明と同じものにしていいですかねぇ…?となし崩しに別の場所で選んだ照明と同じもので揃えようとしてきた。今度は私がムッとする番だ。同じ照明を選ばなかった理由があるしそもそも値段が違う。

ヌノモノさんが私の様子を察してあそこにあの照明を選んだ理由がおありですよね?と聞いてくれた。将来的に別の場所の照明と交換もできると考えたんですよね…と説明するとヌノモノさんが主体となり、同じように別の場所の照明と交換できて、かつ家の作り的に取り付け可能な照明があるかどうか、一旦ナチュラル社で探してみますと話をまとめてくれた。ありがとうヌノモノさん。

照明の話が終わると、続けてユージさんは引き渡し前の最終確認する日を決めましょうと言ってきた。シゼンさんから聞いていた『施主検査』のことだと思い当たる。『施主検査』。家づくりに関して情報を漁りまくる中でもたくさん聞いた言葉だ。引き渡される家が契約通りの仕様になっているか、工事による傷や汚れが無いか、などなど施主の私たちが家を確認する最後の砦。それが施主検査。ここで大きな不具合や汚れが見つかり引き渡しまでに修正できないとかそのせいで引越しできなかったなんて話をインターネットでたくさん見てきた。気を引き締めて取り掛からなくては。

ユージさんが手帳を見ながらえっと…この日だとその後の作業が間に合わないので…ここでどうでしょう?と提案してきた日程は、シゼンさんがチラッと話していた予定より10日以上早く、なおかつ引き渡しまで20日以上間があった。本当にその日で大丈夫なんですか?引き渡しまでに何かあったらどうなるんですか?と聞くと、そういう場合は引き渡し後に対応しますので、と当然のようにユージさんは言う。…何か不具合があっても修正されないまま家を引き渡すってこと…?そういうものなんだろうか…?違和感がありまくりだったが、引き渡し後にちゃんと対応してくれるなら…と半ば無理やり自分を納得させてユージさんの提案通りの日程で了承した。

ようやく面倒な決め事が終わり、家の写真をたくさん撮ることができた。気が済んだところでお礼を言ってその場を後にする。駅まで歩きながら、先ほどのご近所トラブルについて夫と話した。私としてはご近所の言い分もまったく意味が分からなかったし、それに対して同じレベルでカッとなってうまく対処できないユージさんも意味が分からなかった。夫は違う印象を持ったようで、あの反応がいかにも職人気質に思えて、やっぱりユージさんは根っからの職人さんなんだと理解が深まって好ましかったらしい。夫の話を聞いてそんなもんかねぇと思いつつも心から納得することはできなかった。

私の中ではこの出来事が決定打となり、ユージさんとのやりとりを考えるだけでものすごく気が滅入るようになってしまった。少なくとも施主検査であと1回はユージさんと会わなくてはならない。その1回で済めばいいが、施主検査が何の問題もなく終わるわけがない。結局その後もやりとりは続くだろう。嫌で嫌で仕方が無かった。


私の重たい気分などお構いなしに時間は過ぎていく。銀行と契約する日が目の前に迫っていた。



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家づくり記録 目次① (1)~(10)1度目の検討 - star_of_bba’s diary
 家を作ろうと決めたきっかけから家づくりを1度諦めるまで。

家づくり記録 目次② (11)~(23)建築会社決定 - star_of_bba’s diary
 1度諦めた家づくりに再トライして建ててもらう会社を決めるまで。

家づくり記録 目次③ (24)~(32) 建築開始 - star_of_bba’s diary
 家を建ててもらう会社が決まり、土地の購入から建築工事の開始まで。

家づくり記録 目次④ (33)~ 完成 - star_of_bba’s diary
 工事の始まりから完成まで。