star_of_bba’s diary

甲状腺、卵巣と立て続けに手術したのち遊び歩いてます。

<家づくり体験談> 土地探しヒント集

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一軒家を建てる場合、まずは土地から探す人が多いと思う。今回は私たちが土地を探すときに参考にしたサイトや条件の考え方など、土地を探すときのヒントになりそうなことをまとめておこうと思う。





土地の探し方
できれば家を建ててくれる会社を見つけてから土地を探すほうがよい

土地を探す前に建築会社を決めておくことをお勧めする。理由は2つあって、まず支払い面。住宅ローンは建てた家に対して融資されるお金なので土地だけあっても銀行はお金を貸してくれない。その土地にどんな家をどこで建ててもらう、だからいくらくらい必要、という詳しい計画を用意して初めて融資の申し込みができる。

土地を買ってからお金を払うまでの流れはざっくりとこんな感じ

①土地の売主に購入希望の申し込みをする
②住宅ローンの仮審査を受ける
②売主と条件や価格の交渉をする
③土地の売買契約を結ぶ
③手付金を支払う
④住宅ローンの本審査を受ける
⑤審査が通ったら住宅ローンの融資契約を結ぶ
⑥融資を受けて売主に代金を支払う
⑥土地の登記を変える

同じ数字で書いたところは並行してやったり同日にやったりする。売主さんの都合や条件の交渉で多少前後するが、これらをだいたい2~3か月の間に終わらせる。2~3か月と聞くとけっこう余裕?と思えるかもしれないが、②の住宅ローンの仮審査を申し込むためには建築会社が決まっていないと建築する家の計画などなどが出せない。さらに③の土地の売買契約では契約書に住宅ローンの申込期日や代金の支払い期日がはっきり書かれる。売主さん側からすると、できるだけ早くお金を支払ってほしいので、支払い期日にあまり猶予は持たせてもらえない。私たちの場合は契約した日から3週間後くらいが支払いの期日だった。他の人が同じくらいなのかは聞いたことがないので良く分からないが、建築会社の営業さんからは一般的な期間だと言われたのでこんなもんなんだと思う。
こうして土地を買うまでにやらなくちゃいけないことを考えてみると、希望の土地が見つかったらもう色々待ったなしになるのだ。土地を見つけてから建築会社を探して、土地に合ったプランを提案してもらって、複数の建築会社を比較検討して…なんてやってる時間はほとんどない。

もう一つの理由は建築の面。土地を売る側は土地さえ売れれば良いので、そこにどんな家が建てられるのかまではほとんど考えてもらえない。建物の高さや屋根の角度などに法的な制限は無いか、将来的に家に隣接している道路が広がるような道路計画は無いか、井戸や浄化槽など余計な費用がかかってしまうような状況は無いか、など家を建てるプロの目線で土地をチェックしてもらうことは自分たちの理想を実現するためにとてもとても大切だ。

土地も一緒に探してくれる建築会社がベストだと思うが、それが難しくても候補は絞ってコンタクトを取っておき、土地が見つかったらすぐ連絡して対応してもらえるようにした方が良い。


優先順位も大事だけどバランスも大事

土地探しのコツを調べた時、「100点満点の土地は見つかりません」「希望の優先順位を決めましょう」「優先順位3位までの希望が合えば購入を検討しましょう」というようなことを聞いた。なるほどなるほど、と思いながら夫と希望を出し合い、優先順位を考えて土地を探したが、振り返ってみると優先順位も大事だけど平均点も大事だったなと思っている。

たとえば私たちはA土地、B土地、C土地で迷っていた。私たちの希望と優先順位は

①予算1,500万円まで
②ア駅またはイ駅
③駅から徒歩圏内(最大15分くらいまで)
④地震に強い
⑤近所に買い物できる場所がある
⑥視線を遮らない景観がある

こんなところで、A~C土地と希望を照らし合わせるとこんな感じだった。

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一応どの土地も希望通りではあったけど、それぞれの希望に対する満足度が違っていた。そこで希望により近い順に順位をつけて、1位5点、2位3点、3位1点として点数をつけてみた。

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この点数をレーダーグラフにするとこんな感じになる。

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B土地、C土地はずば抜けて良いところがあったが、反面、希望から大きく離れた部分もあった。A土地はすごく良いと思えるところは少なかったけど、 どの希望もそこそこ適っていた。最初のうち、私たちはC土地の環境の良さに目を奪われて第一希望としていた。環境以外の希望と違う部分は、少し気になったものの、まぁ大して問題にはならない範囲かなと考えていた。結局、C土地は私たちが申し込みをする前に売れてしまったので気持ちを切り替えてA土地を買うことになったのだが、家づくりを進めていき、現地を見学する段階までくるとA土地で良かったと思うことが増えていった。実際に住んでみて、なおさらその気持ちは強くなっている。新居に引っ越して周辺にも慣れた頃、夜にC土地を再訪問してみたのだが、環境の良さとして魅力に感じていた隣の公園には街灯があまり無く、しかも生い茂った木が周囲の光を遮っているのでなおさら暗い。土地を検討している時、夜も下見に来ていたのに印象がだいぶ変わってしまい、ちょっと怖く感じた。新居までの徒歩距離に慣れてから歩いてみると駅からの距離もだいぶ遠かった。今となってはいったいどこが良かったんだろうと考えてしまうほどだった。

アドバイス通り希望に優先順位をつけて土地を探したけど、本音のところではどの希望も適ってほしい。だって希望なんだもの。そうすると希望をどれくらい諦めたか、で後々の満足度が変わってくるのではないだろうか。日々の暮らしを営む場所にはどこか1点だけ突き抜けていいところがある土地より、嫌いなところが少ない土地の方が合うと思う。


掘り出し物は予算しだい

ネットに出てくる売り土地情報は売れ残ったものがほとんど、というのはたぶん本当だと思う。不動産屋には土地を探しているお客様のリストがある。新しい土地が出てきたら広告費をかけるより今あるリストのお客様の中から買ってもらった方が利益が出る。だからいい土地は広告などで世の中に出回る前に消える。そりゃそうだろうなという話でしかない。

なので、良い土地を見つけたかったら自分がそのお客様リストに載るのが一番確実だ。ただしこれは『相場にあった予算が出せる』場合に限る。いくらでも買い手がいそうな土地をわざわざ安い値段で売りに出す人はいない。これもまたそりゃそうだろうという話だ。

だからネットに出てない掘り出し物の土地は予算が無ければ出てこないと思った方が良い。相場より予算を抑えたければ、人から見ると嫌な部分があっても自分たちは気にならない、という土地をネットなどから探すのが良いと思う。例えば外からの目線が気になるから奥まった位置に家が建つ旗竿地はちょうどいい、とか、こじんまりした家を建てたいので面積は狭くていい、とか、楽器が趣味なので大きい道路沿いの方が近所を気にしないで済む、とか。また、土地のデメリットは家の作りでカバーする、という考え方もある。日当たりがイマイチだけど吹き抜けを作れば解消できる、とか高さ制限があるから3階建てはできないけど屋根裏部屋を作る、とか。土地のデメリットへの対応方法などでもプロの目線で考えてもらえるので、最初に書いた通り土地を探す前に建築会社を決めておいた方が安心だと思う。



お役立ちリンク集
地盤カルテ

土地を買ったらすぐ家が建てられるかと言うとそうではない。家を支えられるだけの硬さがある土地か調査し、土地の硬さが足りなければ地盤を改良するための工事が必要になる。この地盤改良費がけっこう馬鹿にならない。100万円単位でかかってしまう。せっかく予算内で土地が買えても地盤改良費がかさんで予算を組み直さなくちゃいけない、なんてことにもなりかねない。

しかも土地の地盤調査は購入した後じゃないとできないのだ。地盤調査するには土地に穴を開けるので重機を持ち込んだりする。他人の土地にずかずか入って好き勝手やれる調査ではないのだ。私たちも地盤調査の結果が出るまではドキドキだった。

この地盤改良が必要になってしまうリスクをできるだけ避けるために利用していたのが『地盤カルテ』というサイト。

jibannet.co.jp


このサイトで検討している土地を調べて検討材料にした。ただし、地盤や土地の成り立ちなど、土地に関する情報はせいぜい●丁目くらいの大きな範囲でしか記録が無いことが多いため、自分が調べたい土地がその情報通りかどうかは、やっぱり実際に調査してみないとはっきりしない。なのであくまで目安にできないが、無いよりマシだと思う。私たちの場合、あんまりにもリスクスコアが高いところは検討から外した。

具体的な使い方は
↓↓↓


①「住所」の欄に調べたい土地の住所を入力して送信ボタンをクリックする。このあと地図が表示されて詳細を指定できるので、番地まで分からなくても大丈夫。

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①地盤を調べたい土地の住所を入力(番地まで分からなくてもOK)

②規約同意画面に映るので、利用者の欄で「個人」を選択し、氏名、メールアドレス、利用目的を選ぶ。

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②個人を選択し、氏名、メールアドレスを入力して、利用目的を選択

③入力した住所が大まかだった時は送信ボタンの下にマップがあるので表示されている赤いピンをドラッグで移動させて希望の場所を指定することもできる。

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③マップに表示される赤いピンをドラッグで動かして場所を指定し直すこともできる

④規約同意ボタンを青く表示させて送信ボタンをクリックする。

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④規約の同意ボタンをクリックして送信

⑤入力した住所の地盤スコアが表示される。同じ内容が入力したメールアドレスにも送られてくる。

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⑤入力した住所の地盤のリスクスコアが表示される



地理院地図

昔の地形や航空写真を調べられるとても便利なサイト。地盤のヒントにもなるし、どんな成り立ちでできた土地か分かることでどういうリスクのある土地なのかが分かる。たとえば、昔は川だった土地なら地震で液状化するかもしれない、とか山だった土地ならがけ崩れなどが起きないか、とか。

maps.gsi.go.jp


具体的な使い方は↓↓↓


①一番上の検索窓に調べたい住所を入力
②表示された検索結果の住所のところをクリックする

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①調べたい土地の住所を入力し、②検索結果に表示された住所のリンクをクリックする

③検索結果の×ボタンをクリックして消す
④「ー」ボタンをクリックして地図の縮尺を大きくする(広い範囲が見えるようにする)

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③×ボタンで検索結果を消して④地図の縮尺を大きくする(広い範囲が見えるようにする)

⑤検索結果の後ろに隠れていた「地図」ボタンをクリックする

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⑤検索結果を消すと「地図」ボタンが出てくるのでクリックする

⑥いろいろな種類の地図が選択できるようになる。ここで地図の名前を選択すると、右側に見えている白地図の上に選択した地図の情報が重ねて表示される。例えば「土地の成り立ち・土地利用」をクリックする

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「地図」メニューから様々な種類の地図が選べて見られる。例えば「土地の成り立ち・土地利用」をクリックする

⑦「地形分類(ベクトルタイル提供実験)」をクリックする

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⑦「地形分類(ベクトルタイル提供実験)」をクリックする

⑧「地形分類(自然地形)」をクリックする

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⑧「地形分類(自然地形)」をクリックする

⑨右側の地図に地形分類地図が重ねて表示される。地形の種類が色別になっている

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⑨右側の地図で地形分類が色分け表示される

⑩地図上で気になる箇所をクリックすると分類の開設が表示される

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⑩色分けされた地図で気になる場所をクリックすると解説が見られる

⑪メニューにある「地形分類(人工地形)」をクリックすると右側の地図に盛土、切土、埋め立てなどの人工的に作られた地形の色分けも表示される

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⑪「地形分類(人工地形)」では人工的な地形も色分け表示される

⑫他の種類の地図を選びたいときは「地図の種類」と書かれているすぐ下の「トップ」をクリックすると最初の画面に戻れる
⑬選択した地図を非表示にしたい場合は「選択中の地図」の下で非表示にする地図の横にある×をクリックすれば消える

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⑫トップをクリックすると地図を選ぶ最初の画面に戻れる⑬選択した地図を非表示にしたい場合は下の方に出ている地図の名前の横にある×をクリックする

⑭地形の他にも、昔の航空写真を表示したりもできる。「トップ」から「年代別の写真」をクリックする

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⑭昔の航空写真を表示したい場合はトップから「年代別の写真」をクリック

⑮見たい年代をクリックすると右側に航空写真が表示される。クリックしても何も変わらないときはその時代の航空写真が無いということなので他の年代をクリックしてみると表示されるものがあるかもしれない。

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⑮見たい年代をクリックすれば航空写真が表示される。何も出てこないときはその時代の写真が無いので他の時代を選ぶ



最後に

私たちの場合、希望エリアを決めるのに2年、エリアを決めてから10か月かかって今の土地が見つかった。探していれば必ず見つかる。諦めたらそこで試合終了です。皆さんにも良いご縁がありますように。