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本を作る(6)9割完成、価格に悩む - star_of_bba’s diary
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本を作る(1) 20代みたいなノリ - star_of_bba’s diary
待ちに待った文学フリーマーケット、略して文フリ。コロナの感染拡大が止まらず緊急事態宣言が延長されてしまったが、制限された範囲での開催が決まった。本当にありがたいことだ。
当日ははりきって朝から出かけた。乗り換えする浜松町駅でタリーズに寄って朝ごはんを食べる。外に置かれた椅子で食べていたら雀がおこぼれを狙ってやってきた。鳩みたいにグイグイくる。でも鳩みたいにはムカつかない。不思議。
食べ始めた頃はポツポツと落ちていただけだった雨が本降りになってきた。仕方ないので近くのコンビニで傘を調達して出発する。東京モノレールの駅に向かう途中、世界貿易センタービルに入っているお店が全て閉店していて驚いた。調べたらビルを建て替えするらしい。日本で一番大きなビルの解体になるだろうとネットで見つけたニュースには書かれていた。数年に一度程度しか来たことのないビルだけどなくなると知った途端感傷がこみ上げる。ここでパン買ってみんなでキャンプ行ったな。懐かしいな。
流通センターには開場20分くらい前に到着した。会場の展示場は駅から目と鼻の先で周りには休憩できるようなスペースが一切ない。唯一気軽に入れる場所だった東京流通センター展示場内のタリーズはずっと休業中だ。仕方ないのでまっすぐ会場に向かった。入口前には既に行列ができていてビビる。並ぶほどでも無いかなと考えつつ様子見していたが今回は入場者数の制限があることを思い出した。ここまで来て制限に引っかかって入れ替え待ちになったらつらいなと思い直しておとなしく行列に並んだ。私の前の前に並んでいる風船みたいな男性からはブックオフの臭いがしてくるし、真後ろに並んだ女性は私がゴルゴだったら即死するレベルでノーソーシャルディスタンスな距離を保ったまま列の進みに合わせて背後をついてくるし、入場できるまでの時間はまぁまぁ地獄だった。
思っていたより早く列が進み、すんなり中に入ることができた。cocoaアプリの提示、検温の協力、入場時間が分かるシールの受け取り。すべてスムーズだった。よし。
広々とした会場とここ一帯に並んでいる本は全て見たことがないものだという現実に入った直後からブワっとテンションが上がる。うひー。たのしー。マスク下でにこにこしながら端から順に回った。ブースは会議用の長机の半分で1つになっている。通路はかなり広々としていて快適だった。歩き出して1分でWEBカタログにチェックをつけていたブースが見つかったので即お買い上げ。私は思い切りが良い。
とりあえず一旦WEBカタログのことは忘れて、ブースを全部見ることにした。色んな人がいる。呼び込みしたい様子だけどカオナシみたいになっている人、身内とキャッキャしてる人、デカい声出してるけど何言ってるか全然聞き取れない人。ノンフィクションのジャンルではストリップ劇場を扱った作品が多かった。流行ってるのか?あと短歌のジャンルが集まっている列を歩いていたら「ちんちんの短歌が千首載っています」という呼び込みが聞こえてきた。呼び込みは続く。
「千首、すべてちんちんです。」
耳に残りすぎる。
一つ、タイトルでグッと興味をそそられて、あらすじでふんふんと興味が続き、見本を開いて文章も大丈夫そう、となった本を買えた。楽しみだ。小説ジャンルは百合、ファンタジーが多かった。ホラー系もちらほら。
一通りすべてのブースを見終わったので会場の端っこであちこちから受け取ったフリーペーパーを吟味する。残念ながらフリーペーパーをきっかけに買いたいと思えるものは無かった。次はWEBカタログで目星をつけていたサークルを確認。文フリのWEBカタログはチェック機能があり、気になったブースをカタログ上に保存しておくことができる。一周目の巡回で見た記憶があるサークルはチェックを外し、一つだけチェックの残ったブースに行ってみた。…が、出展者の態度があんまりにも何しに来たの?という感じだったので買うのはやめた。
最後に偵察目線で全体をもう一周した。以下所感。
- 机に敷く布が必要
- 相場としては500円〜いっても1000円くらいが良さそう
- 目の高さのアイキャッチで興味を掴む→机の上の見本を見てもらうって流れを作ると良さそう
- 値札は机にベタッと置かず立てる方が見やすい
- 机の前に貼って垂らすポスターとかはあんまり見えないかも
- ブース番号の掲示は絶対必要
- サンプル文を看板代わりに机の上に掲げても読みにくい
- フリーペーパーみたいな配れるものが必要
- 本の紹介はシンプルにする
- サークル名は目立たなくてもいい
- ちゃんと接客する
- 300pくらいの本は珍しくない
- 買ったものは剥き出しで手渡す人がほとんど
- ポンポン売れるもんじゃない 20部も作れば十分
- チラシ的なものはしっかり作るべき
最後の一周を終えたところで開場してすぐ入った人たちは退出しなくてはいけない時間になった。そんなに長居するつもりはなかったのに気づいたらあっという間に2時間経っていた。満足して会場を後にする。帰りに紙見本を見たくて銀座の伊東屋に寄った。目当ての紙は半分は見られて半分は無かった。残念。夫へのお土産を買い帰路に就く。楽しい一日だった。がんばろう。