star_of_bba’s diary

甲状腺、卵巣と立て続けに手術したのち遊び歩いてます。

家づくり記録(38)トラブル発生

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【前回までのあらすじ】
コンセントの位置決めて電灯の位置確認した。

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家の建築工事が着々と進み、電気工事の最終確認を行った私たち。施主支給のタオル掛けが届いたので翌週も自分たちだけで現地にお邪魔し、棟梁とタオル掛けの位置を決めさせてもらった。それから前回の電気工事で指定したコンセントの位置について、ユージさんが分からなくなっちゃったと言っていたらしい場所を改めて棟梁に直接指定。ちなみにこの頃にはまだ階段がついておらず、2階に上がるのはハシゴ利用だった。

工事が進んでいるのを一通り眺め、感動してから棟梁にお礼を言って撤収。帰り間際、棟梁が、明日あたり階段の設置について打ち合わせがあるらしいので、そろそろ階段がつくはずですよと教えてくれた。それも楽しみだ。夫が棟梁に階段の付く日が分かったら教えてくださいとお願いし、棟梁が快く了承してくれた。いやー良かったねぇと夫と話しながら駅まで歩いていると後ろから大きな声で名前を呼ばれた気がした。ん?と振り返ると棟梁がこちらに向かって走ってくる。何事?!と慌てて近寄ると、ユージさんから電気関連のことで連絡ありました?と聞かれた。…?いや、ないですけど…と戸惑いつつ返すと、天井が勾配になるところに取り付ける電気について、ちょっと問題が出るかもしれないんですと教えてくれた。なんですと…?分かりました、聞いてみますとお礼を言って今度こそお別れし、その後は特に何もなく駅に着いて自宅へと帰った。

翌日、棟梁に言われたことを思い出してユージさんに電気工事の件について詳細教えてください、とメールした。分かりましたという返信だけはすぐに来たが、その後数日経っても何の連絡もない。ベランダ工事についても確認したくてあわせて書いていたのだが、そちらについてはユージさんからの返信を待つ間に営業担当から連絡が入り解決した。もう一度ユージさんにメールし、ベランダのことは解決しました、もう一つお願いしている電気の件教えてくださいと催促した。それでも反応がない。…どうしたのかな。

痺れを切らして夫に頼み、ユージさんへ電話してもらった。電話に出たユージさんは開口一番、大丈夫です!と言ったそうだ。なにがやねん。

夫も同じ気持ちだったらしく、詳しく聞くと電気工事の問題かもと言われていた内容はよくある話で実例もあるので問題ないとのことだった。とりあえず良かったが、私のユージさんへの不信感がますます募る出来事だった。

またそれからさらに数日後。そう言えば階段のこと、連絡来ないなぁと思っていた日の夜中、久しぶりにシゼンさんからメールが届いた。

珍しく夫が先に寝ている日だった。私は昼寝し過ぎて寝付けないところでメールの着信に気付いた。なんだろうと開いてみる。

メールは階段と建具に関することだった。階段の高さの関係で、建具に干渉する部分が出ます、という話。現場の写真に干渉のイメージが補足で書き込まれていたものが添付されて、このようになりますと書かれていた。写真の様子では1〜2cmの話ではない。ガッツリ10cm以上階段が建具に被る。



いや、意味分かんねぇだろ。
階段の高さも窓の位置も今決めたわけじゃない。なんで今まで分からなかった?

そもそもプロが平面図で気付けないのもなかなかな話ではあるけど、私ら、パース(立体的なイメージ図)も模型ももらってないよな?作ってたら設計段階で気付いたんじゃないのか?そこまでしなくても(パースも模型も作るとお金がかかる)展開図(横から見た間取り図みたいなもの。壁や天井の高さがより分かりやすくなる)くらいは作れたんじゃないんか?コロナがあったし、セッケイさんの退職があったからやらなかったんか?セッケイさんいなくても会社としてきちんとやるって言ってなかったか?

しかも『なります』?なんで当然のようになんてことないようにもう決定事項として書いてるわけ?逆の立場だったらはいそうですかって言えんのか?あ?あ?

カッとなって勢いのままにブワッとメールを返信しそうになったが私1人のことじゃない、とかろうじて堪える。夫はぐっすり寝ていた。起こすのはかわいそうでできない。

明日。もう明日考えよう。今日は寝よう。そう思って目を瞑るがなかなか寝付けなかった。どうしよう、と、なんで、の感情が交互にやってくる。気付くとスマホで建築トラブルや建具の干渉について検索してしまう。その度、明日明日と何度も頭の中で唱えながら固く目を瞑って夜明けを待った。

翌朝。目を覚ました夫にメールを転送して状況を説明。夫の一言目は「…いや、聞いてないよね。」だった。うん。聞いてない。

夫と相談し、なぜこの段階まで説明が無かったのか。ここに至るまで分からなかったのは設計ミスじゃないのか。こうなりますと言われても納得できないので改善案を出して欲しい、と返信した。あとは相手の出方次第だ。

少ししてシゼンさんから夫に電話がかかってきた。申し訳ありません、という言葉と共に明後日ユージさんから現地で説明させてくださいと話があったそうだ。夫が了承して電話を切った。

シゼンさんと電話で話した後、棟梁からもメールが届いた。階段の件、お聞きになりましたか?現場で説明してどうするか決めた方が良いとユージさんには伝えたのですが…とのこと。やはり棟梁が一番信用できる。ありがとうございます。現地で説明してもらうことになりました。棟梁にもご迷惑をお掛けしてすみません。と返した。棟梁からはこちらこそ申し訳ありませんと送られてきた。棟梁………。


建築工事が始まってからの変更には問題がいくつも出てくる。一つは、耐震。建物は壁、窓、柱の数、位置によって耐震性が変わる。ナチュラル社は構造計算という方法で耐震性を算出していた。その計算はかなり複雑で、何かの位置が大きく変われば当然この計算もやり直しになってしまう。
もう一つは建築基準法。家を建てる時は官公庁に最終決定した図面を提出してどんな建物を建てるか申請し、許可を得る必要がある。この許可が下りた後に図面と違うことをするのであれば、やっぱりこれもやり直しだ。
最後に工期。修正が入れば予定通りに進めるのが難しくなる。予定通りいかなければそれだけ引き渡しが遅れる。土地代など、先に融資されているつなぎローンの契約には完成した家の引き渡しをいつまでにする、という期限がある。その他、住宅エコポイントとかすまい給付金など、住宅の購入を支援する補助金関係の申請にも引き渡しの期限があった。補助金関係が無くなるくらいならまだしも、つなぎローンのほうは予定が変わって引き渡しが期限までに間に合わなければ最悪の場合、融資が取り消されるなんてことにもなりかねない。

その日は夫も私も検索の鬼と化した。結果、今回問題が起きた場所を修正しても構造には影響しなさそうだというのが分かった。建築許可も変更の届を出すだけで済むらしい。残りは工期だが、もうこれは間に合わせてもらうしかない。

夫と話し、『階段と建具が干渉しないように直してもらう』、とにかくこれだけお願いすることに決めた。私としては建具の種類を変えるとか位置を大幅にずらすとか、せっかくだからこれを機により良い感じにしたらどうかと考えて夫にも提案したが、何かミスが起きた場所で大きな変更をかけると余計ミスが起きるよ、と冷静に言われ、確かにそれはあるかもしれない、と納得してやめた。

今回、夫はこういうこともあるよというトーンで終始冷静だった。私はやるべきことをやっていれば防げたミスだろうというのと、起きたことに対していかにも当然のようにこうなります、というメールの説明だけで収めようとしたことがかなり頭に来て、終始カッカしていた。そして私の性質上、こういう時どうしても最悪のパターンを考えてしまう。シゼンさんは申し訳ないとは言っていたけど、現場の説明で結局どうにもならないとか、こんなもんですよだいたいどこのお宅でもとか、そんな適当な説明をされたら…と想像して建築関係のトラブルや紛争の相談ができるような専門機関を調べてブックマークしたし、夫にもそういう相談先があるみたいだよ、という話をした。夫はえぇ…そこまで…?と引いていた。

ユージさんとの約束の当日。夫と現地へ時間通りに向かう。どうなるんだろう。こんなに沈んだ気持ちで建築現場へ向かうことが起こるなんて想像もしていなかった。なんでこんな嫌な気持ちにさせられるんだろう。私たちの家なのに。

ユージさんが玄関先でて私たちを待っているのが見えた。そっとスマホのボイスメモを起動させる。家の前に到着するとユージさんは開口一番、この度は申し訳ありませんと謝った。おう。そう来たか。

あの後大工とも話をしまして、ご要望通り干渉しないギリギリのところで直させていただきます。だいたいこのくらいの位置になるかと思います。最終的には設計担当に確認したうえでの修正になりますが、それでよろしいでしょうか。

答えとしては満点だ。慎重に質問をぶつける。これによる追加費用などは…?もちろん、いただきません。工期は…?遅れないように他で調整いたします。

それならもう何も言うことはない。分かりました。お願いしますと答え、現場を後にした。ボイスメモを終了させる。これは一応最後まで残しておこうと保存だけはちゃんとした。

こうして拍子抜けするほどあっさり、私たちの"マイホームトラブル"は解決した。夫には最初からガンガン詰め詰めでいくのかと思っていたよ、とからかわれた。私だって怒らずに済むなら怒りたくない。夫に、ミスを認めなかったり修正できないって言われるかもしれないと思ってたんだよと打ち明ける。夫は、それは…と絶句した。ナチュラル社は、普通の会社だよ。シゼンさんもユージさんも普通の対応するよ。そこまで酷いのは普通じゃないよ。と諭される。そうなんだろうなとおとなしく納得しかけたら、あなたの地元とは違うんだからと続けて大変失礼なことを言われ憤慨した。実際の修正が完了するまではまだ油断できないが、納得できる答えを得てやっと気持ちに曇りなく笑うことができた。

数日後、ユージさんから設計担当にも確認ができたので説明通りの変更を行います。と連絡がきた。変更されるとだいたい建具の位置がこれくらい変わります、と具体的な数字ももらった。夫にメールを転送し、家に帰ってから2人でメジャー片手にこんな感じかな、とシミュレーションし、まぁいいでしょう、と結論を出してOKの返信をした。

さらに数日後、棟梁から建具の位置がかなり変わりますけど大丈夫ですか?とメールをもらった。具体的な数字も教えてくれたのだが、ユージさんが言っていた範囲と5cmの差がある。でもまぁそれくらいなら仕方ないと思いつつ、念のため夫にメールを転送して相談し、いいよと返事をもらってから棟梁に仕方ないので大丈夫です、と返信した。それにしてもユージめ。言うことが悉く間違っている。ユージ株は暴落の一途だ。

色々あったが無事修正は終わり、棟梁が手をかける大工仕事がほぼ終わった。次は壁の施工だ。漆喰壁を塗るところ、絶対見たい。こんな時でもなければなかなかお目にかかれない。夫がユージさんに連絡を取って漆喰の施工はぜひ見学したいので予定日を教えてほしい、とお願いしてくれた。ユージさんは棟梁の最終作業日と、現状だとこの日あたり…という漆喰の予定日を教えてくれた。漆喰も楽しみだが、まずは棟梁の作業日の最後にお礼を言いに行かなくては。


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家づくり記録 目次① (1)~(10)1度目の検討 - star_of_bba’s diary
 家を作ろうと決めたきっかけから家づくりを1度諦めるまで。

家づくり記録 目次② (11)~(23)建築会社決定 - star_of_bba’s diary
 1度諦めた家づくりに再トライして建ててもらう会社を決めるまで。

家づくり記録 目次③ (24)~(32) 建築開始 - star_of_bba’s diary
 家を建ててもらう会社が決まり、土地の購入から建築工事の開始まで。

家づくり記録 目次④ (33)~ 完成 - star_of_bba’s diary
 工事の始まりから完成まで。