star_of_bba’s diary

甲状腺、卵巣と立て続けに手術したのち遊び歩いてます。

出雲と境港に行ってきた① 寝台特急

結婚記念日イベントをあれこれ考えて、前から乗りたかった寝台特急に乗って、前から行きたかった出雲に行くことを思いついた。思いついてから色々調べて、一度は行きたかった水木しげるロードのある境港も工程に組み込み、車中一泊、出雲一泊、境港一泊の計画を立てた。





まずはサンライズ出雲の予約から

サンライズ出雲は東京から出雲まで行ける寝台特急だ。壁で仕切られていないけど横になれるのびのびシート、1人用個室のシングルまたはソロ、1人用個室のスペースに二段ベッドを設置したシングルツイン、豪華な設備が付いた1人用個室のシングルデラックス、2つのベッドが横に並んだ個室のサンライズツインがある。このうち、2人で使用できる個室はシングルツインかサンライズツインのみ。サンライズツインは4室、シングルツインは8室しかない。時期にもよるらしいが、ツインやデラックスはかなりの争奪戦になる。夫と相談して少しでも予約が取れる確率を上げるため数が多いシングルツインを狙うことにした。

JRの特急券は乗車日1ヶ月前の10時から発売となる。今はほとんどの特急券がサイトや自動券売日から予約できるようになったが、サンライズ出雲はみどりの窓口でしか購入ができない。昔はみどりの窓口で事前受付というシステムがあって、10時前に買いたい乗車券の希望を出しておき、10時に結果を受け取りに行くということができたらしいのだが、今はほとんどの駅で止めてしまったらしい。まぁ、時代ですね。

夫と2人、さんざんネットで検索したが、結局、今でも事前受付しているところは見つからなかった。とりあえず家の近くのみどりの窓口で予約方法を相談してみよう、ということになった。

みどりの窓口では若い女性の駅員さんが対応してくれた。発売日当日は、特急券を購入する人用に別の列を作り、10時から順番に受け付けてくれるそうだ。その列の一番前に並べば10時ピッタリにシステムへ購入情報を飛ばしてくれる。が、すべてのみどりの窓口からこの時間に一斉に情報が送信されるので、必ず買えるかは分からない。また、何時から列に人が並び始めるかは不明。それこそみどりの窓口が開く前から並ぶかもしれないし、10時まで誰も来ないかもしれない。旅行会社でも予約代行してくれるところがあるみたいだから、そういうのも検討してはどうか、とのことだった。JRの窓口=無愛想という思い込みがあったので、とても丁寧で親切な対応に感動してしまった。お礼を言って窓口をあとにする。

駅員さんのアドバイスに従って、近場の旅行会社にも寄って相談してみた。乗車券のみの予約代行はしていないそうだ。また、もし宿と一緒の手配だとしてもお店が11時からの営業なので、10時の販売開始には出遅れてしまうと言う。残念だったがやはりみどりの窓口に賭けるしかなさそうだ。

発売日当日、会社に行くよりずっと早く起きて相談に行ったみどりの窓口を目指す。営業時間の10分くらい前に到着できた。そのまま入口の前に並ぶ。結局、私の後に並ぶ人は誰もおらず、一番乗りでみどりの窓口に入った。入口を開けてくれた駅員さんに特急券を買いたいと申し出ると、通常のカウンターに並ぶ列と別に、壁際へポールを立てて並ぶ場所を作ってくれた。10時まではおよそ3.5時間。気合を入れてポールの真ん前に立った。

10時10分前くらいまで普通にお客さん対応していたのでやきもきしたが、そこでお客さんの受付を止めて窓口を閉じた駅員さんがちゃんと私のところに来てくれた。事前に記入していた申込用紙を渡す。駅員さんは用紙を見ながら私に向かって希望の座席を確認し、再び閉じられたカウンターの中へ戻った。少しするとカウンターの方から時報の音が数秒だけ聞こえた。5分前くらいになると先ほどの駅員さんからまた声をかけられて、閉じた窓口の前で待つように言われた。待っていると閉じていた窓口が開いた。開けてくれた駅員さんがそのまま端末の前に座り、静かに”時”を待つ。駅員さんがチラチラと時計を見る。私もスマホをチラチラ見る。もうあと1分……気づかないうちに両手を組んでいた。駅員さんがそっとエンターキーを連打しだした。…と思った直後「あ、取れましたね。」の声。え?もう?


ジャジャーン


無事第一希望のシングルツイン、禁煙席をゲット。お金を払い、乗車券と特急券を渡されておしまい。キツネにつままれたような気持ちになる。あっけなかった。これならサンライズツインも取れたのでは?なんて欲張った考えが頭をかすめたが、いやいやいや十分十分。これで良かったと思い直す。いそいそと夫にゲットできたよ報告。良かった。とりあえず宿は押さえていたものの、寝台特急も目的の一つだったのでチケットが取れなければ色々考え直さなくちゃいけないところだった。これで出雲に行けるぞ。



いざサンライズ出雲に乗車!

出発日は金曜日の平日で、夫も私も会社に行った。早めに帰ろうと定時前に出社したが叶わず、結局定時ちょっと過ぎに退社。夫も定時後の会議があったそうで、私より少し後に会社を出たと連絡が入った。働き方改革…。

遅くとも20時半には家を出たくて、家に着いたのが19時過ぎ。しかも、数日前にふるさと納税の返礼品で豚肉の詰め合わせが届きますとヤマト運輸からお知らせがあった。冷凍食品だから引取期限が決められていて、どう考えても受け取れる日がこの出発の日しかない。時間指定しても何時に来てもらえるか分からないのは困るので、家から自転車で5分ほどの営業所留めにして自ら豚肉を取りに行った。ここまで所用時間15分。そしてサンライズ出雲にシャワールームはあるものの、激混みな上に10分くらいで出なくてはいけないと聞いていたので、なんとしてもお風呂に入ってから家を出たい。さらにさらに前の日も帰りが遅くてほとんど荷造りできていない。バッタバタと大急ぎの大慌てですべての支度を整えた。

どうにかこうにか予定通り家を出発できた。東京駅でまだ開いていた駅弁屋さんに入る。6種類くらいしか残っていなかったが、とりあえず晩ご飯は確保できた。特急券と一緒に東京駅からの乗車券を買っていたが、自宅から東京駅まではPASMOを使ってしまった。どこでどう精算してもらえば良いか分からず、仕方がないので一旦PASMOで改札を出てから購入した乗車券で入り直した。正解知ってる人いたら教えてください。

一緒に飲み物も買って駅のホームに向かう。出発30分前くらいには列車が入ってきて存分に撮影タイムが楽しめるらしい。私が荷物番し、夫が入ってきた瞬間の電車を撮ってくれた。行き先の掲示板が変わる瞬間も動画に撮れた。


出雲と瀬戸が交互に表示されるんだけど出雲が表示されてる時間が異様に短い

上手く言えないけど出雲っぽいカラーリングだと思う

行き先の表示が昔ながらのくるくる回って変えるタイプで和んだ


電車の扉が開き、いそいそと乗り込む。色んな個室を興味津々に覗きながら通り過ぎた。写真も撮りたかったけど、後ろから人が続々と乗り込んでくるので無理だった。


私たちの個室の近くのシングル席

個室にはスリッパとパジャマが用意されている

こちらが今夜のお宿です


自分たちの個室に到着。第一印象は「狭っっ!!!」だった。二段ベッドの上段が思ってたより下の位置にあり、圧迫感がすごい。ただ、この上段ベッド、壁際に固定できる。夫が壁に貼られた説明書きを読みながら固定してくれた。これでだいぶ広くなった。そして下のベッドも真ん中の部分が取り外しできて、向かい合うように座る座席が作れる。座席の真ん中あたりの壁にはテーブルも備え付けられていて、かなり過ごしやすい空間になった。


上のベッドを片付けて下のベッドを椅子にしたところ


夫が急いでシャワーカードを買いに行く。早くしないと売り切れるらしい。

取り外した座席の置き場所にワタワタしたり荷物を整理したりと初めての寝台列車を堪能しているうちに出発時間となり、電車が動き出した。30分弱の停車時間はあっという間に過ぎた。



夕ご飯〜就寝

ようやく落ち着いて駅弁を食べることに。お腹がペコペコだった。


いぶりがっこ最高


最後まで売れ残っていたお弁当だったけどまぁまぁ美味しかった。夫は出発前、シャワーカードを買った時に車内の設備を見ていたが、私はまだだったので食べ終わってから自販機コーナーに向かいつつ探検することにした。

探検と言っても、サンライズ出雲の設備はそれほど多くない。椅子とテーブルが置かれただけのミニラウンジが1箇所、シャワー室と自販機がそれぞれ2箇所(シングルデラックスには専用のシャワー室が別である)あるくらい。どれもふーんと見ながら通り過ぎて、探検はあっけなく終わった。ミニラウンジを団体の中年男性が占拠しててかなり不愉快だった。

飲み物を買って個室に戻る。しばらく真っ暗な車窓からの景色を楽しんだ。2回ほど駅を通過する際夫がここどこかな?と口にして、それを聞いた私が周りの景色や駅への線路の入り方で○○じゃない?と答えたのたけどどちらも当たっていたので自分でも驚いた。サンライズ出雲は、途中まで私が長年使い慣れた路線と同じところを進んでいく。景色って、自分で思っている以上に頭の中に染み付いているものなんだなと思った。

年明けから旅行までの間、まぁまぁ忙しい日々が続いてて、朝6時過ぎには岡山駅でお弁当を受け取るために起きなくてはいけない。出雲に着いてからもきっとたくさん歩くだろう。せっかくの寝台特急、少し惜しかったけど後の予定に備えてさっさと寝ることにした。上段ベッドをもとの位置に戻して整える。上段ベッドに上がった私を夫が下から見上げる。その顔がものすごく楽しそうで、チケットが取れて本当に良かったなと思った。おやすみと言い合い、私だけ横になって目を瞑る。私が寝た後も、夫はしばらく起きてミニラウンジに行ったりビールを飲んだりしながら列車の旅を堪能したようだ。

寝台特急でも電車であることに変わりはない。まぁまぁ揺れるなと思いながら、浅い眠りについた。



起床〜駅弁〜到着

3時頃から何度か目が覚めてしまった。まだ真っ暗な窓の外に目を凝らす。私がこうしてゴロゴロしているこれは電車で、夜通しこの電車は動いていて、そうすると夜通しこの電車を動かすために人も動いているわけで、ちょっとそれはどうかなぁ、無理してほしくないなぁ、やっぱり夜行列車は無くなるべくして無くなるのだなぁ。つらつらそんなことを考えながらウトウトした。

6時に目覚ましが鳴る。のそのそ起きる。下を覗くと夫も目を覚ましていた。おはようと言いながらベッドを降りる。ゆっくり着替えて岡山駅到着を待った。

岡山駅では、出雲行きと瀬戸行きの列車が切り離される。このため少しだけ停車時間が長いのだ。切り離された列車は瀬戸行きが先に出発する。瀬戸行きが無事発車したら出雲行きが出る。なので、瀬戸行きの方が少し短く4分、出雲行きは6分の停車時間となる。この岡山駅停車を利用して駅のホームで買える予約制の駅弁があるらしい、というのを夫が事前に調べてくれて、私が予約した。

岡山駅到着のアナウンスが流れる。予約時に聞いていた販売場所は10号車の前辺りということだったので、10号車の出口でスタンバイした。出口に次々と人が集まってくる。岡山で降りる人もまぁまぁいるようだ。電車は時間通り岡山駅に着いた。電車の中からホームに『祭りずし』ののぼりが立っているのが見えた。せかせかと電車を降りて名前を告げるとお弁当が入った紙袋をさっと渡される。こちらも手に持っていたピッタリのお金をすっと渡す。スマート。


駅弁屋さんは複数人でスタンバッてくれてたので受け渡しはすごくスムーズだった"


時間が足りなくなったらどうしようとドキドキしていたけど、けっこう余裕で買えた。温かいものが飲みたくて、小銭を持って降りた夫に借りてすぐそばにあった自販機で温かいお茶を買った。列車の切り離し作業を見ようかなとも思ったが、切り離す場所が少し遠かったし寒いので諦めた。個室に戻り買ったお弁当を眺めたり写真に撮ったりしているうちに電車は静かに動き出した。6分は長いようで短かった。

いよいよお弁当だ。私はこのお店の看板商品らしい祭ずし弁当のプレミアム版にした。夫は普通の祭りずし弁当と、ここでも鶏肉のお弁当。


外箱からかわいい

テンション上がりすぎて食べ終わった容器持ち帰るところだった

金色のがプレミアム。分かりやすくて良い。

エビの大きさ、具の種類の数が違う


まぁでも駅弁は駅弁だろうと思って記念のつもりであまり期待せずに食べたのだが、予想外においしい。特に豆とかしいたけとか、お野菜のおかずがえっ?って声が出るほど美味しかった。エビも立派でおいしい。夫と二人で美味しい美味しいと繰り返しながらバクバク食べた。

ご飯を食べ終わった後も出雲につくまではまだだいぶ時間があった。あまり寝られなかったので、夫も私ももう一眠りすることにした。再び上段ベッドにあがる。横になってさあ寝るぞというところで私の横にある窓のブラインドが勝手に上がった。夫だ。下段に設置されているボタンを押してくすくすしてやがる。上げたり下げたりの攻防を何度か繰り返して夫の気が済んだところで今度こそ本当に寝た。

9時。出雲には10時ちょっと前に到着する。身支度を整えるため起き上がる。揺れに慣れたのか、夜よりぐっすり眠れた。夫もそうだったらしく、夜中とスピードが違うのかもしれないと言っていた。言われてみればそんな気もした。

洗面所で歯を磨き、個室に戻ってから化粧をして毛布やパジャマを畳む。準備万端。残りの時間はすっかり明るくなった車窓の景色を楽しんだ。蔵だったのかな、という建物が続く道があったり、旅籠通りの面影を残した道があったり、おもしろい。宍道湖に差し掛かると車掌さんがガイドをしてくれた。47kmもあって、海水と淡水が混ざってて生き物がたくさん住んでて、シジミがよく獲れるそうだ。きれいで大きかった。

まもなく出雲のアナウンスが流れた。忘れ物チェックをしてから個室を後にする。お世話になりました。時刻通りに出雲到着。長かったような短かったような。とにかく、楽しかった。寝台特急は楽しい。


出雲だ。本当に来られた。出雲ってちゃんと来られるんだ。…念願の出雲だ!