star_of_bba’s diary

甲状腺、卵巣と立て続けに手術したのち遊び歩いてます。

初心者だけでTHE FARMに行って『手ぶらキャンプ bySnow Peak』してきた④

前回の続き。


①はこちら

②はこちら


2:30
遠くの方からスーッと『そうだね。』という気持ちがやってきて目が覚めてしまった。何が『そうだね。』なのかは全く分からない。やっぱり頭の方に血が上ってる感じがする。

そこから眠りが浅くなり、うつらうつら寝たり起きたりを繰り返した。何度目かに意識が浮上したとき、テントの上から大きな音が聞こえてきた。起きている間、そんな気配は微塵も感じなかったのに雨が振りだしていた。ああ残ってた薪どうしよう、椅子も何脚かはタープの外にあったはず...などと心配事が浮かんでは(寝て)消え、浮かんでは(寝て)消えた。己の無力をこれほど噛み締めたことはない。

そのうち、隣で寝ていた夫が雨音に気づいて起き出した。そっと外に出ていく気配。もう安心だ。さすが私の夫。ここで私の意識がまた途切れる。

次に目覚めたとき、リビングスペースからぼそぼそと話している声が聞こえた。夫の気配でHも起きたらしい。この集まりは、いつも誰かがどこかしらで優しい。


7:00
iPhoneのアラームが鳴る。だいぶノロノロしていたが、みんなちゃんと起きた。早速Hが焚き火を始めてくれる。口々に昨晩の雨の話をした。Zも気づいていたけど起きられなかったと言うので安心した。Sが起きしな、「誰かくじら12号流してた?」とみんなに聞いてきた。もちろん誰も何のことか分からない。どうも夢でずっとくじら12号が流れていたらしい。なぜだ。

チェックアウトは11時だが、10時にスタッフさんがやって来て、再び教わりながらテントの撤収をする。それまでにテント以外のレンタル品は全部洗って片付け終えてなければいけない。10時までに片付け終えるためには、9時くらいには朝食を食べ終わらないと間に合いそうにない。そう、朝食。私の中で、このキャンプのもう1つの目玉にしていたホットサンドの具が、たんまりと出番を待っている。それでも、H、Z、私の3人は急ぎ足で朝風呂へ向かった。あの温泉をもう1度味わっておきたかった。それくらい良いお湯だった。惜しみながら10分ほどガッと浸かってザッと出る。

風呂上り、入り口でウロウロしてたHと合流してテントまで戻った。Zは?と聞くと、まだ風呂場にいるそうだ。「Z、お風呂に入ってくるまでがすっごい長いんだよね。」「脱衣場での時間が長いってこと?」「そうそう。」なんでだろうね。恥ずかしいのかな。などと言い合いながら歩いた。


8:00
タバコ休憩に寄ったHを残してテントに戻ると、Sと夫がリゾットを食べていた。少し味見させてもらう。チーズたんまりで美味しかった。

Hが戻ってきて、再びみんなで『Zの風呂が長い談義』をした。Zの恋人であるSがZのことを「しずかちゃん」呼ばわりしていておかしかった。そんな会話の中でようやくZが帰ってきた。風呂に入るまでが長いのは厚着しているからだそうだ。

全員揃ったところで急いで朝食に取り掛かる。トラメジーノに固形のままバターを擦り付ける。パンの耳を切り落とし、マヨネーズを塗って、トラメジーノに乗せる。さらにチーズ、ハムを乗せて、上からもう1枚パンをかぶせて、トラメジーノを閉じてコンロの火にかけた。3分くらいですぐ焼けるのでどんどこ焼いていく。だんだん面倒臭くなってきたのでパンの耳を切り落とさずトラメジーノからはみ出した状態で焼いた。これもまた美味しい。全員でうまいうまいと焼いた端から平らげていく。


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めちゃくちゃ美味しそうにできたし実際めちゃくちゃおいしかった。


途中で卵も追加した。卵はパンを敷かずにトラメジーノへ直に割り入れ、その上にだけパンを乗せて蓋をする。これまたたまらなく美味しい。夫は昨晩マシュマロを刺していた串にパンを刺して焚き火トーストを作っていた。それもそれで美味しそうだった。


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卵を入れて・・・

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パンとトラメジーノで蓋!


途中コーヒーも飲んだ。美味しかったけどあっという間にアイスコーヒーになってしまう。冷めても美味しいコーヒーで良かった。

怒濤の朝食タイムが終わり、そのまま怒濤の片付けタイムへ突入。みんなそれぞれやる事を自分で見つけてサクサク動いた。こういうのも大人ならではで大変よろしい。


10:00
前日指導してくれたスタッフさんが時間通り到着。テント以外の片付けはちゃんと終わっていた。すごい。やっぱり人数が多いと楽だ。

「雨大丈夫でしたか?寒くなかったですか?」色々気遣ってもらったが、問題なかったのでそのように答えた。

スタッフさんがテントに残っている雨のしずくをはじく。「雨が降ったので本当はこのまま干して乾かすんですが・・・・練習ですからね!一旦たたみましょう!」ということでテントの撤収開始。立てた時の順序をさかのぼる 。ペグを外し、インナーテントを外し、ポールを外し、たたむ。ペグは水洗いする。スタッフさんの適切な指導のおかげで、片付けはスルスルと30分ほどで終わった。「じゃぁこれで今回のプランは終了です!ありがとうございました!」というスタッフさんの声に全員でお礼を言って解散。スタッフさんは私たちが片付けた道具を仕舞ったり、本当の片付けを始めた。

昼ごはんを施設内にあるカフェで食べようと計画していたのだが、カフェが開くのは11時。かなり混むらしいので早めに行って並んで待つにしてもまだちょっと早い。しばらくテントの近くの小屋でだらだらして時間を潰した。スタッフさんが忙しそうに近くを行き来する。なんとなく気まずく感じたのは私だけだろうか。


11:00
FARM CAFEに入る。席に案内されるまで入り口で少し待たされたので、近くにあったデトックスウォーターを飲んだ。ここで採れたであろう野菜の切れっぱしが入った水。まずいわけじゃない。だけど何だろう。そのままの味だった。

席に案内されて注文した後すぐ、もう一つ入り口近くに置いてあった玉ねぎ茶をもらいに行く。こっちは塩気のない玉ねぎスープ。これもそのままの味だ。まずくはない。


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THE FARMの入り口そばに建ってるカフェ。

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テラス席は犬連れもOK。

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昼間のみの営業

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ウエルカムデトックスウォーターとウエルカムたまねぎ茶

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黒板にない定番メニューも豊富だった

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玉ねぎ茶はコンソメ入れ忘れたオニオンスープって感じ。


朝ごはんをしっかりすぎるほど食べていたがせっかくなのでここでもみんなガッツリ食べる。この「食う」って部分が長いことゆるく繋がってる我々の共通点なんだろう。


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野菜のピザ、ブイヤベース、豚肉のグリル

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鴨とネギの和風パスタ、ボンゴレビアンコ

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ナスのとベーコンのカルボナーラ、ペスカトーレ


使ってる野菜は恐らくここで採れたものばかりで、パスタは生麺。ぜんぶ文句なしに美味しかった。


12:30
どんどん混んできたので食べて早々に店を出た。送迎の集合時間は13時40分。まだまだ余裕がある。

とりあえずここで精算することにした。宿泊、追加レンタル品、夜ごはんと朝ごはんの食材、CAFEのランチ、全てひっくるめて一人14,000円ずつ徴収した。こんなに楽しめて一般的な旅館に休前日泊まる程度の値段。最高だと思う。

お茶がしたかったので、出てすぐの場所にあるFARM TERRACEに行った。コーヒーや軽食を売っていて、外に置かれたベンチでそれらを楽しめるお店だ。ここでカプチーノと「切りたてをその場で揚げる」と触れ込みが書かれたポテトチップスを頼んだ。Hはソフトクリームまで頼んでいた。なぜかHにカプチーノをごちそうしてもらった。ポテトチップスは確かにじゃがいも感が強くておいしい。ただ、振りかけられたパウダーが多かったようで味がだいぶ濃かった。ソフトクリームも味見させてもらったら濃厚でおいしかった。


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ポテトチップス


食べ終わってもまだまだ時間があるので周辺を散策する。カフェがある辺りからずっと下に降りたところにグランピングエリアとアスレチックエリアがあった。

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グランピングエリア。手前の枠の中が焚火コーナーになっている。

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左の斜面沿いにもグランピングテントがある。

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斜面沿いのテントの方が居心地良さそう。


私とHはアスレチックエリアで紐にぶら下がってシャーっと滑走する遊具で遊んだ。THE FARMには本格的なジップスライダーというアクティビティもあったのだが、乗り放題とは言え1,000円かかる。さすがに元を取るほど乗りまくる気にはなれない。無料のアスレチックで十分だった。

グランピングエリアは冷暖房もコンセントも完備されているが、各自のテントエリアで焚火できない。また、エリアも入り口からずっと下がった谷底のような場所で、温泉や受付までの道のりが軽くハイキングになる。個人的にはテント泊の方が泊まりやすいと感じた。


13:30
グランピングエリアの散策から戻り、日帰り温泉のロビーに置いてあったお土産を冷かし、することがなくなったので送迎の集合場所に座って待つことにした。近くにハンモックがあったので乗る。乗れるものは何でも乗る。揺らすと音がギコギコ鳴って不安を誘ったが、ハンモックの揺れそのものはとても心地よかった。私がハンモックから降りた後、小さな男の子が乗りたそうにしていたのでHが声をかけて乗せてあげた。子供好きなのが意外に思えた。テント設営でお世話になったスタッフさんが通りすがり、FARM TERRACEで売り出したフルーツトマトを熱心に勧めてきた。食指が動かず、購入は見送る。

時間通りに行きと同じ運転手さんが同じバンでやってきた。お願いしまーすと言いながら車の中に入る。送迎は私たちだけだったのですぐ出発。10分程で迎えに来てもらったバス停に着いた。

バス停では、私たちが一番乗りだったが5分もしないうちに次々と人が並んで列ができた。このバス停でこれだけの人が乗ろうとするならバスはかなり混んでるのではないか、高速を走るから立ち乗りはできない、全員乗れるだろうか、同じ場所に固まって座れないだろう、乗れなかったらタクシーで最寄り駅まで行くしかないか、など、ああでもないこうでもない話し合っていたが、少し遅れてきたバスは幸いまだ席が空いていた。さすがに5人で固まるのは無理だったけれど、無事みんな乗ることができた。


15:20
ぐうぐう寝ていたらあっという間に東京駅に着いた。H、Z、Sはここで降りる。離れたところに座ったのでサッと手だけあげて挨拶した。夫と二人、楽しかったねと繰り返し言い合いながら終点の浜松町で降り、家路に着いた。


その後
家に着いたのが18時前くらい。必要最低限の荷ほどきだけして、コンビニで買ったもので簡単に夕飯を済ませて、私は19時頃早々に床についた。そしてそこから翌朝9時くらいまでほとんどノンストップで眠りこけた。自分でも驚いた。

今回のメンバーで最高齢だし仕方無いよねと思っていたが、どうもみんな寝始めの時間こそ違うものの合計の睡眠時間は同じくらいだったっぽい。さんざん馬鹿にしていた夫も、翌日はほとんど寝て過ごしていた。疲れるだろうとは思っていたし、実際疲れたーと口に出していたが、ここまで疲弊した自覚はなかった。慣れないことや冷えは思っている以上に体力を奪うものらしい。1日休養に充てられるよう3連休の1~2日目でスケジュールを組んだが、本当に本当にナイス判断だった。もし初めてのキャンプを検討されている方がいれば、帰ってきた翌日は何も予定を入れず空けておくのをお勧めする。

今思い出しても楽しかったし、自然と次はあれ食べよう、これ見たい、という気持ちが湧き上がってくる。もう少し暖かくなって、でもハイシーズンに入る前、また違う場所でやりたいなと思い、夫とも話している。楽しい遊びの選択肢が増えた。行って良かった。




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